深掘り*タカラヅカ

男役イメージの研究で修士号を取得した筆者が、宝塚をあれこれマニアックに深掘りします。

【ヅカヲタクッキング】柚香光さんの鶏肉マーマレード

こんばんは!

今回はお料理記事です。

 

作ったのは…鶏肉のマーマレード焼き

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以前、宝塚GRAPH 2016年12月号

宝塚GRAPH(グラフ) 2016年 12 月号 [雑誌]

宝塚GRAPH(グラフ) 2016年 12 月号 [雑誌]

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2016/11/19
  • メディア: 雑誌

 

を読み返していた時のこと。

柚香光さんが本科生時代に、鶏肉をマーマレードに漬けたものを、瀬央ゆりあさんと食べていたというエピソードを発見しまして。

世界一顔のいいクリスマスツリーと、世界一顔のいいスノーマンがいる、あのページです)

 

鶏肉のマーマレード漬け…

美味しそうなものセンサーが反応した私は、さっそくそれを作ってみました。

今回は【ヅカヲタクッキング】と題しまして、柚香さんと瀬央さんが食べていたものはいったいどんなものであったか!?を解き明かしたいと思います。

 

 

まずは、GRAPHの記事を詳しく見ていきましょう。

柚香さんが仰るには、

 

鶏肉をマーマレードと醤油で漬けるだけ‼超簡単♡ 

 と。

 

なので、用意するものと致しましては、

・鶏肉

マーマレードジャム

・醤油

の3つですね。

 

次に、詳しい分量について。

マーマレードと醤油は同じ分量で、肉が浸るぐらい!

 

とのことなので、実際に作ってみて実感したことも併せますと、材料と分量は

 

鶏もも肉・・・食べたい分だけ

(私はいつも、焼き肉用にそぎ切りにしてあるものか、角切りのものを使います。)

マーマレードジャム・・・肉が浸るぐらい

(大量に使うので、私はいつも売り場で一番安いものを買いますし、実際にそれで十分だと思います。)

・醤油・・・肉が浸るぐらいで、マーマレードと同じ分量

 

という感じでしょうか。

 

 

 

そして、重要な作り方について。

 

①鶏肉をマーマレードと醤油で漬ける。

トレーではなくポリ袋で漬けると、後片付けも楽でおすすめです。

 

②冷蔵庫でしばらく置いておく。

柚香さんのお好みに沿った形で作る場合、前日の夜から漬けておきます。

今回初めて一晩置いてみたのですが、味がしみ込んでいてとても美味しかったです~!

 

お急ぎの場合は、30分漬けただけでも十分オッケーです。

15分漬けただけでは少し味が物足りなかったので、最低でも30分漬けることをお勧めします。

 

③焼く。

漬けた鶏肉を焼いていきます。油はひかなくても大丈夫です。

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ここで、鶏肉だけをフライパンに入れると鶏肉のマーマレード焼きに、漬けた醤油やジャムも一緒に入れると鶏肉のマーマレードになります。

お好みでどうぞ。(私は焼きのほうが好きでした。)

 

ちなみに、「漬ける時も焼く時も、皮が下のほうが美味しいかも」とのことです。

 

④盛り付ける。

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(この写真は今日作ったものなのですが、濃口醬油で一晩漬けこんだからか、肉がめっちゃ茶色い…でも味は抜群でした!)

 

柚香さんのお好きな白米とともに、頂きましょう!!!!!

 

 

余談になりますが、お気に入りのお茶碗。

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父が偶然選んだのがすみれ柄で、もらった時とてもうれしかったことを覚えています。

 

 

いかがでしたでしょうか?

柚香さんが仰る通り、作るのもとっても簡単。

甘酸っぱくて、とても美味しいお味です。

 

皆さんもぜひぜひ、作ってみてくださいね。

 

 

 

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スタイルと補色、『ファントム』エリックのお衣装あれこれ。

明けましておめでとうございます🌅

今年も本ブログを、どうぞよろしくお願い致します。

 

 

新年一発目の今回は、ちょうどスカステで放送されるということで、『ファントム』を取り上げます✨

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いや、2018年の公演は、望海さん・まあやちゃんの歌声が本当に素晴らしくてですね…

 

月組以外のBlu-rayは基本的に買わない、としていたのですが、あまりの完成度の高さに、この公演は思わずBlu-rayを買ってしまいました。

 

今回はその中でも、主人公であるエリックのお衣装について、①衣装のスタイル ②補色という、二つの観点から書いていきたいと思います。

 

 

 

①衣装のスタイルから見る、エリックの異様さ

 

まず、エリックのお衣装のスタイルについて。

劇中でエリックは様々なお衣装を着ますが、特に印象的なのは、ポスターにも登場し、メインビジュアルにもなっている紺のお衣装でしょうか。

 

 

雪組宝塚大劇場公演 三井住友VISAカード ミュージカル『ファントム』 [Blu-ray]

雪組宝塚大劇場公演 三井住友VISAカード ミュージカル『ファントム』 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2019/02/12
  • メディア: Blu-ray
 

 

 

このお衣装は、コート(ロング丈の上着)・ウエストコート(ベスト)というパーツから、18世紀中頃のフランスの、男性の宮廷服スタイルが原型であると思われます。

(例)https://www.kci.or.jp/archives/digital_archives/1700s_1750s/KCI_008

 

 

…ところで、『ファントム』の舞台は、一体いつごろなのでしょうか?

 

 

 

それを解き明かすために、次はクリスティーヌのお衣装に注目します。

 

《パリのメロディー》が歌われる時のお衣装をはじめとして、クリスティーヌのお衣装は、お尻の部分が後ろにぽこんと膨らむ、バッスル・スタイルが中心です。

(例)https://www.kci.or.jp/archives/digital_archives/1870s_1880s/KCI_105

 

このスカートの形が流行した年代から、『ファントム』の舞台は1870-80年代であると推測できます。

 

 

 

そう思うと、エリックが着ている服のスタイルって、『ファントム』の時代より100年も前の、すっごく昔の流行遅れのものなんですよね。

 

特に1789年のフランス革命以降、男性のスタイルは華やかさを失い、どんどんシンプルな物へと変化していったので、『ファントム』の当時を生きる人からしたら、100年も前の時代遅れなスタイルで華やかに着飾ったエリックの姿は、とても異質なものに見えたと思われます。

(地上に住むキャリエールやシャンドン伯爵と比べても、その服装の違いは明らかなはずです。)

 

 

 

また、エリックはオペラ座の地下に住み、地上の世界とは隔絶して生きていた人物であり、彼は地下で育ったゆえ、地上の人々とは何か違った雰囲気を醸し出していたことは明らかでしょう。

 

そして、(エリックの服が100年前のものなのか、はたまた当時を再現した舞台衣装なのかは分かりませんが、)

地下で暮らすエリックが放つ、当時の地上の世界とは隔絶された異様な雰囲気は、このような流行遅れのスタイルのお衣装も、一つの要因なのではないでしょうか。

 

 

 

②補色効果で引き立て合う、赤と緑

 

次に、カルロッタ殺害〜森のシーンのお衣装について。

 

 ここで注目したいのは…その色。

燃え盛る炎のような、真っ赤なお衣装をエリックは着ています。

 

カルロッタ殺害のシーンでは、エリックの中にある激しい殺意がお衣装の色で表現されているとも言えるでしょうか。

 

そして(上着は脱ぎますが)カルロッタを殺害したその服のまま、エリックはクリスティーヌの元へ向かいます。(この時点で既にヤバい感じもしますが)

 

領地(地下に作った人工の森)を見せるために…

 

 

ここでのエリックのお衣装は、

そして、森の

 

この赤と緑という2色は色相環で正反対に位置し、補色という関係にあります。

 

ja.m.wikipedia.org

 

 

そして、

補色同士の色の組み合わせは、互いの色を引き立て合う相乗効果があり、これは「補色調和」といわれる。(上記wikiより)

 

 

つまり、赤と緑はお互いを引き立て合う効果があり、森の緑によってエリックの赤が目立ち、またエリックの赤によって、森の緑もまた引き立っていると考えられます。

 

 

そして、この「赤」と「緑」の補色効果により、このシーンにおける「エリックの狂気」「赤のイメージとは正反対の、エリックの悲しみや孤独感」、そして「人工の森が持つ虚しさ」といったようなことが、より際立っているのではないでしょうか。

 

 

 

以上、エリックのお衣装に関するあれこれについて考えてみました。

そう思うと、お衣装の形や色って、ただ綺麗だからとかで選ばれてることは無くて、きっと何か意図があってのことなんですよね。

 

 

「全ての演出には意味がある」と、何かで思った記憶があります。

これからも細かいところに目を向けて、観劇していきたいです!

 

 

 

 

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2019年のショー作品振り返りと、2020年の展望

こんばんは!

 

 

2019年も、大劇場公演はすべて観劇したなつみちです。

ちなみに、宝塚全体での観劇は以下のような内訳。

 

:3   カサノヴァ 1  青薔薇/シャルム 2

:17 アンカレ 1  夢現無双/クルンテープ  8+ライビュ 2 OTT 国フォ 1+梅芸 2  IAFA 3

:1   壬生/MR 1

:3   エルベ/エストレ 1  食聖/エクレア 2

:3   オーシャンズ 1  バルセロナ/NICE GUY 1  ハポン/アクアヴィーテ 1

 

計27回

 

 

ショーが大好きな私ですので、今回は2019年に宝塚大劇場で公演されたショー作品を振り返り、2020年のショーの展望についても考えてみたいと思います。

 

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まずは作品の振り返りから。

「このシーンの〇〇さんの歌がよかった!」といった感想は多く見かけるので、今回はあえて生徒さん以外の、構成や演出に目を向けて振り返ります!

 

『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』星組・中村暁先生f:id:Natsu3ichi:20191231210357j:plain

お正月のNHKの放送を見てから、生観劇しました。

映像より生のほうが、断然楽しかったです!!

この後全ツに持っていく作品だったので、宝塚を初めて見るお客さんも知っている曲で楽しめるよう、J-POPを中心に選曲したのかな~などと思ったりしました。

 

ただ、そのJ-POPの使い方の難しさを、特に実感した作品でもありました。

J-POPは私たちの日常世界に身近なものであり、そのような曲が流れると、とたんに観客は現実の世界に引き戻されてしまうからです。

 

宝塚=現実とはかけ離れた夢の世界。

その世界を舞台上で実現するために、選曲というのはかなり重要な位置を占めているのだなと思いました。

(じゃあ、クラシックとかジャズを普段から聞いてる人はどうなの!?とかにもなりますが…)

 

 

 

 『クルンテープ 天使の都』月組・藤井大介先生f:id:Natsu3ichi:20191231210436j:plain

 

通った通った。

ついつい脳内を駆け巡ってしまう、主題歌の中毒性

「タイ」がテーマという、新しい試みもよかったんじゃないかなと思います。

 

ただ…「タイの表象」という点では、手放しで楽しめない作品でもありました。

 

 

皆さんは、オリエンタリズムをご存じでしょうか。

 

ja.wikipedia.org

 

ものすごく簡単に書けば「オリエンタリズム」とは、東洋を「神秘的な未知の世界」とし、「野蛮」で「未発達」、「官能的」(性的な欲望をそそるさま)で「妖しい」ものであるとする、西洋的なものの見方です。

そしてこれは西洋人が自分たちの都合のいいように勝手に作ったものの見方で、決して実際の東洋を表したものではありません。

E・サイードが著作『オリエンタリズム』において、人種主義的・帝国主義であるとし、この思考を批判的に検討しました。

 

注意したいのは、『クルンテープ』においてもそういったものの見方が用いられているのではないか?ということです。

実際に、『クルンテープ』の歌詞や台詞を拾ってみると…

 

幻想的で神秘的な、タイランドの首都バンコク

クルンテープ 淫靡な夜の香り」(淫靡…性的にだらしなさを感じるさま。みだら。)

クルンテープ 魔性の都

クルンテープ 妖しい 恋の叫び」

 

このように、タイやバンコククルンテープ)と、オリエンタリズム的なイメージを結び付けかねない表現があったと思います。

 

「タイって素敵だよ!」ということを表現するショーであったはずなのに、このような批判すべき西洋的なものの見方での表現が一部なされたことは、私は問題であったと感じました。

(このことについては、詳しく取り上げたいと思っています。)

 

 

『Music Revolution!』雪組中村一徳先生

中村B先生のショー作品は「 幾何学!電飾!群舞!カラフル!フィナーレ盛りだくさん!」というイメージでしたが、今回もそんな感じでした(笑)安定の中村B先生

二階席から観劇したので、群舞でのフォーメーションがきれいに見えてよかったです。

 

ただ、ずっと「平場での大人数群舞・歌とダンスのシーン」の繰り返しだったことが気になりました。ストーリーのあるシーンや少人数のシーンなどを盛り込み、もう少しメリハリやバラエティー性が欲しかったところです。

 

 

Éclair Brillant(エクレール ブリアン)』星組・酒井澄夫先生

 

どう転んでも清楚にしかならない、酒井先生の持ち味が生かされた、超・王道なレヴュー作品だったなと思いました。

心にしみじみと染みるような、少しノスタルジックな主題歌も素敵でした。

特筆すべきは、皆さんも書いておられたボレロ」のシーン。

フォーメーションだけで見せていくというシンプルな手法が、ゴテゴテした構成が主流な中で、逆に新鮮で印象に残りました。

また、現代的でぶっ飛んだお芝居と、清楚で王道なレヴューという、この公演の組み合わせもよかったなと思いました。

 

 

 

『シャルム!』花組・稲葉太地先生

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イデアが面白かった。その一言に尽きます。

「パリの地下都市」というテーマも新鮮だったし、レヴューの展開にも午前〇時~と進んでいく時系列があって、見ていて統一性を感じました。

また、マンホールに入り地下に潜るということが、セリを使って表現されていたのも面白かったです。そして、セットには階段が使われており、「これを使ってどんどん地下に行っているんだな」ということがよく分かりました。

 

 

 

 

『アクアヴィーテ(aquavitae)!!』~生命の水~ 宙組・藤井大介先生

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一階席の一番後ろという、身長151㎝の私にはめちゃくちゃ見えづらい座席で一回のみの観劇だったので、あまり印象に残っておらず、すみません。

ただ、「ウイスキー」をテーマにして、真風さん他宙組メンバーがかっこよく演出されていたので、その点においては成功だったといえるのではないでしょうか。

あと、女装祭りは安定のダイスケ先生だな~と思いました(笑)

 

 

 

 

2020年、ショーの展望

今日時点で2020年の大劇場公演の作品は、9月の星組まで発表されています。

注目したいのは、ここまで一本物と二本立てが交互に来ていること。

星組の次の花組は、おそらく二本立てであると予想しますが、最後の月組は果たしてどうでしょうか!?ここまで来たらもう、一本物でも驚かないけど!?

 

私は宝塚の華=ショーだと思っていて、ショーを楽しみに観劇に行くタイプなので、ここまでの一本物の多さには、正直さみしさを感じます…

 

また、月組ファンとしても、そろそろ王道の洋物ショーが欲しいところです。次は日本物レヴューだし。

(王道の洋物ショーは、2017年の『CRYSTAL TAKARAZUKA』(再演)、大劇場だと2017年の『カルーセル輪舞曲』にまで遡るでしょうか(『BADDY』はストーリー仕立てだったし、『クルンテープ』はアジアものだったので))

(というか、御園座まで一本物ってどうよ…地方の人は、ショーを見てこそ「タカラヅカを見た!!!」となるのではないでしょうか…)

 

また、月組は9月に全国ツアーがあるので、そこでどのショーが再演されるかも楽しみです。(まさか、全ツまで一本物なんてこと、ないよね…?)

 

 

もう一つ注目すべき点は、来年の作品を担当する演出家の先生です。

 

『Ray -星の光線-』こそ中村一徳先生ですが、その後の『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』は久々の植田紳爾先生(私は歌舞伎ファンでもあるので、監修:坂東玉三郎というのも気になるところです)、そして『シルクロード~盗賊と宝石~』は、生田先生のショーデビュー作です。

 

いつもショーを担当されるダイスケ先生や稲葉先生、中村A先生、野口先生、ベテランの酒井先生や岡田先生といった方々が、今のところショーの担当に名前が見当たりません。

 

ということで、来年のショー模様は、いつもとは変わった感じになりそうですし、残り二作品でどの先生が登板されるのかが楽しみです。

 

一番気になるのは、生田先生の初のショー作品。

ウエクミ先生の初のショー作品は、「芝居」の流れをくむストーリー仕立ての形式でしたが、果たして『シルクロード』は、いったいどのような形式の作品になるのでしょうか!?

 

 

 

 

つらつらと書いてきましたが、2020年のショーも、

どうか素敵なものとなりますように✨

 

 

それではみなさま、よいお年をお迎えください~!

 

 

 

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宝塚で卒論を書こう!!~『BADDY』で卒論を執筆した私の記録とアドバイス~

 

 

こんばんは!

 

先日、約18,000字にも及ぶ卒業論文を提出しました。

そのテーマはもちろん、大好きな宝塚歌劇!!!!!

 

(『BADDY』を扱ったので、図版に大好きなスイートハート様が登場しました。)

 

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ヅカヲタ大学生の皆様の中には、私のように宝塚で卒論やレポートを書きたいと思っている人も少なくないのではないでしょうか。

 そこで今回は、「宝塚で卒論を書こう!!」と題し、私の卒論執筆記録とアドバイスをまとめたいと思います。

 

このページが、宝塚をテーマに卒論やレポートを書く皆様にとって、少しでも何かお役に立てば幸いです。

 

 

 

 

1.テーマを決めよう!

一口にテーマが「宝塚歌劇」といっても、論文を書く切り口は様々。

宝塚歌劇の歴史」「小林一三先生の考える国民劇」「作品分析」「男役/娘役のジェンダー」「レヴューと、タカラヅカレヴューの違い」「海外ミュージカルの導入」「ファン行動の心理」「公演ポスターの分析」などなど…

 

属している学部・学科によっても変わってくると思いますが、宝塚で論文を書く切り口は本当に様々です。

 

大好きなレヴューについて書くことはずいぶんと前から決めておりましたが、それに加え、演出家の先生の制作理念や、それが作品にどう投影されているかに関心があったので、私はとりあえずそのようなことをテーマにしようとしました。

 

 

テーマ決めでおすすめなのは、

『寝ても醒めてもタカラヅカ‼』

 

寝ても醒めてもタカラヅカ!!

寝ても醒めてもタカラヅカ!!

  • 作者:牧 彩子
  • 出版社/メーカー: 平凡社
  • 発売日: 2018/10/19
  • メディア: コミック
 

 

 

や『タカラヅカの解剖図鑑』

 

タカラヅカの解剖図鑑

タカラヅカの解剖図鑑

 

 

 

のように、宝塚に関わるいろいろな要素が紹介された本を読み、どの項目が一番興味深かったか?を振り返ること。

 

 

実際、『寝ても醒めてもタカラヅカ‼』でも、レヴューの世界や構成、演出家別のレヴューの特徴のページが一番面白かったです!

 

 

次に、扱う作品や演出家の先生を決めました。

ここで注意したいことは、

卒論のテーマは、「好きだけど、『?』と思うものを選ぶ

 

ということです。

 

といいますのも、当初は愛してやまない岡田敬二先生やロマンチック・レビューシリーズをテーマに卒論を書きたいなと思っていました。

ですが、私はロマンチック・レビュー信者であり、それらが盲目的に好きなので、それらに関する疑問が思い浮かばなかったんです。

 

とても大切なことですが、論文というのは、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」「どのように」という、5W1Hの疑問を明らかにすることを目的としています。

なので、疑問が思い浮かばないテーマというのは、論文にとって致命的なのです。

 

一方、10,000字を超えるような論文は、「好き」という気持ちがないと書き切ることが難しいのもまた事実です。

 

なので、卒論のテーマは、「好きだけど、『?』と思うものを選びましょう。

 

私の場合は、大好きな「宝塚歌劇のレヴュー」の作品の中で、

初めてのレヴュー作品であるのにもかかわらず、『BADDY』でウエクミ先生が王道ではない「ストーリー仕立て」の形式を取ったことに疑問を持っていたので、

「どのような目的でウエクミ先生はストーリー仕立ての形式を用いたのか」

ということを論題として、卒論を執筆しました。

 

 

2.テーマは早く決めよう!

 これは、おそらく散々言われていることと思いますが(笑)、ホントのことです。

というのも、テーマ決めが早ければ早いほど、ゼミ発表で卒論のパーツを沢山作ることができるからなんです。

 

 

ここで、1年次からの私の発表のテーマを見てみましょう。

(内容を簡単にしたものを、一部ブログ記事にしています。今後も増やす予定です。)

 

①なぜヴィクトリア時代の女性は、人工的で窮屈なファッションを求めたのか

②『カルーセル輪舞曲』の終着点を「日本・タカラヅカ」とした目的

natsu3ichi.hatenablog.com

 

③ヅカ版『風と共に去りぬ』のスカーレットのドレスは何を象徴するのか

natsu3ichi.hatenablog.com

 

④『CRYSTAL TAKARAZUKA』「ドール・オペラ」の結末に隠された影響

natsu3ichi.hatenablog.com

 

⑤『BADDY』はどのような点で画期的だったのか

宝塚歌劇において、レヴューが一番最後に来る理由

⑦『BADDY』を、宝塚レヴューの枠組みを超えて、「レヴュー」として分析

⑧『BADDY』のストーリーが持つ役割

⑨(⑧の加筆修正版)

 

服飾史が好きなので、①・③はそれを扱いましたが、②~は宝塚歌劇を、そして、②・④~は宝塚レヴューを扱うという徹底ぶりでした。

 

そして、これらの発表の内容の一部をピースとし、卒論のどこで使ったかを以下で示します。

 

【卒論の構成】

はじめに

第一章第一節:②・⑦(宝塚レヴューの歴史)

   第二節:②・⑤(宝塚レヴューの骨組み)・⑥(宝塚レヴューの楽しさ)

   第三節:④(宝塚レヴューのミニドラマにおけるストーリー)

第二章第一節:⑧(ウエクミ先生について)

   第二節:⑨(ウエクミ先生について)

   第三節:⑨(ウエクミ先生について)

   第四節:⑨(ウエクミ先生と王道の宝塚レヴュー)

第三章第一節:⑨(「ストーリー仕立て」のレヴューでできること)

   第二節:⑨(BADDYのストーリー)

   第三節:⑨(BADDのストーリー)

おわりに

 

以上のように、私の卒論は、今までの発表の一部をピースとして組み合わせ、それに加筆・修正を加えて完成しました。

 

もし、卒論のテーマを決めるのが遅かったら、10,000字を超える論文をほぼ一から新しく書き上げることになり、それは大変に骨の折れる作業でしょう。

しかし、テーマを決めるのが早ければ、その分卒論のピースを早くから沢山作れることになります。

 

こういうわけで、卒論のテーマは早くから決めておいたほうがいいです。

 

私の場合、『BADDY』で発表を始めたのは3年の秋でしたが、その前にも(作品は違えど)宝塚レヴューについて発表をしていたので、結果的にほぼすべての発表がパーツとして使える形となりましたし、一から新しいものを書くわけではないので、執筆に向かう気持ちもいくらか楽でした。

 

(もちろん、ピースを並べただけでは、卒論は完成しませんでしたが💦)

 

 

3.資料集めと、池田文庫を使い倒せ!

 

そして、論文執筆に大切なのは資料集め。

 

ちなみに、「『エリザベート』などの有名作品の研究」「男役のジェンダー」「レヴューの導入と『モン・パリ』」といった資料は割とありましたが、私がやりたかった「現代のショー/レヴュー」に関する先行研究は、ほとんどありませんでした…(泣)

(学部生の分際で、先行研究が少ないものを扱おうとしたのは、我ながらなかなか無謀なことだったな…と思います)

 

沢山お世話になったのは、『宝塚ショーへの招待』。

 

宝塚ショーへの招待―ショーより素敵な商売はない (広済堂ブックス)
 

 

出版されたのは20年くらい前ですが、説明されているレヴューの特徴は、今の作品にも十分通じるものでした。 

 

それから、宮本直美先生(『宝塚ファンの社会学』の方です。)の論文

「レヴューのmortality とimmortality―ジャンルとしてのレヴューと宝塚歌劇団―」。

http://www.ritsumei.ac.jp/acd/cg/lt/rb/635/635pdf/miyamoto.pdf

レヴューが生徒の序列を示す役割を果たし、現代まで生き残ってきたという興味深いお話です。

 

 もちろん、『BADDY』に関する論文なんてものも存在しないので、公式サイトや公式プログラムのウエクミ先生の発言や、『歌劇』の座談会、『宝塚イズム』や新聞に載っている劇評など、使えそうなものはなんでも使いました。

 

 

また、こういった本は当然ながら学校の図書館にはなかったので、Amazonの一円出品やメルカリを使って集めました。

(論文の核になる何度も読む本は、手元にあった方が確実に便利です。)

 

 

そして、宝塚で論文を執筆するなら、池田文庫を使い倒しましょう!

www.hankyu-bunka.or.jp

 

池田文庫は阪急文化財団が持つ図書館で、阪急宝塚線池田駅が最寄りです。

特筆すべきは、今までの『歌劇』や公演プログラム、『Le CINQ』をはじめ、宝塚歌劇に関して出版された本がほとんど何でも揃っていること!

(もっと言うと、歌舞伎やミュージカルなど、演劇に関する本が沢山揃っています)

 

資料の貸出はできませんが、無料で入館でき、自分のパソコンを持ち込んで作業をすることも可能です。コピー機もあります。

 

本文から図版まで、論文執筆に役に立つこと間違いなしです。

 

こんな素晴らしい施設、使わない手はないでしょう。

私も大変お世話になりました。本当にありがとうございました。

 

 

おわりに

 「宝塚で卒論なんて書けるの?」

 

そう思われる方もいらっしゃると思いますが、「書ける!!!!!」と思います。

(実際に私の学科でも、年に一人くらいは宝塚で卒論を書く人がいました。)

 

 

おそらく、ここまで熱を注げるものをテーマにしなければ、卒論を書ききることはできなかったでしょうし、大好きな宝塚について考えている時間は、大変ではありましたが、同時に楽しく充実したものでした。

 

もし、「宝塚で卒論やレポートを書きたいけど、できるかな…」と思っている人がいたら、ぜひぜひチャレンジしてみてください(*^^)v 

 

宝塚への愛があれば、おのずと結果はついてくるでしょう。

 

 

 

最後に…

みんな、卒論は前倒しで書こうな…

(全て綴じ終わったのが提出15分前だった人) 

 

 

 

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宝塚作品とウィンナ・ワルツ 『シャルム!』によせて

 

こんばんは!

 今回は明日海さんのご卒業作品『シャルム!』に関連して書きます。

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パリの地下都市をテーマにした様々なシーンが展開される中、中詰の舞踏会~ラインダンスのシーンには《春の声》 

春の声

春の声

  • provided courtesy of iTunes

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(⇓実際の歌唱部分)

春の声 Fruhlingsstimmen op.410(1)

春の声 Fruhlingsstimmen op.410(1)

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春の声 Fruhlingsstimmen op.410(2)

春の声 Fruhlingsstimmen op.410(2)

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や、《こうもり序曲》

こうもり - 序曲

こうもり - 序曲

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(⇓実際の歌唱部分)

序曲 Ouverture(オペレッタ「こうもり」より)

序曲 Ouverture(オペレッタ「こうもり」より)

  • provided courtesy of iTunes

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といった、ウィンナ・ワルツの名曲が使われています✨

ja.wikipedia.org

 

個人的にクラシックを聴くのが好きで、その中でも特にウィンナ・ワルツが大好きなので、今回はウィンナ・ワルツの名曲が登場する宝塚作品をご紹介します🎶

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『こうもり』…こうもり博士の愉快な復讐劇… 

 

『シャルム!』でも登場した《こうもり序曲》を始めとし、全編を通じてヨハン・シュトラウス2世の曲を堪能することができます。

観ていて耳がとても幸せで、明るく賑やかで、私も大好きな作品です💕

2020年の1月と3月には、関西でこのオペレッタが上演されるので、ぜひぜひ観劇したいなぁと思ってます!

 

 

 

 

うたかたの恋

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テーマ曲が歌われた後、《こうもり序曲》を使ったダンスシーンがあります。

やっぱり男役さんの軍服姿は素敵ですよね~😍

 

また、美しく青きドナウも印象的です。

美しく青きドナウ

美しく青きドナウ

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この曲は劇中で、

①ドイツ大使館の舞踏会で、ルドルフが「マイヤーリンクへ狩りに出よう」とマリーを誘う場面

②マイヤーリンクで二人が心中する場面

の計2回使われるのですが、どちらも心中に関連する場面ですよね。

また、②の心中する場面では、①に比べこの曲がとても速いテンポで演奏されます。

このテンポの速さが、二人の止められない恋や、心中に向かう気持ちの高まりなどを表現しているのではないでしょうか。

 

 

 

はいからさんが通る

Eternal Scene Collection 花組日本青年館ホール公演 ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』 [Blu-ray]

Eternal Scene Collection 花組日本青年館ホール公演 ミュージカル浪漫『はいからさんが通る』 [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 宝塚クリエイティブアーツ
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: Blu-ray
 

 

園遊会の場面、少尉と紅緒がダンスを踊りますが、そこで使われているのがシャルムにも登場する《春の声》🌸

もう華ちゃんをリードするれいちゃんがかっこよすぎてですね。。。

いつかまたワルツを踊るれいはなが見れたらなと思ってます❤️

 

 

『Santé‼』~最高級ワインをあなたに~

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ショーの第9場、らいらいさんといぶさん中心のシーン。

Aimer, boire et chanter(Wein,Weib und Gesang op.333)

Aimer, boire et chanter(Wein,Weib und Gesang op.333)

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ワインをテーマにしたショーらしく、《酒・女・歌》が使われています🍷

ヨハン・シュトラウスII世:ワルツ「酒、女、歌」 Op. 333

ヨハン・シュトラウスII世:ワルツ「酒、女、歌」 Op. 333

  • Andre Lenard & Strauss Festival Orchestra
  • クラシック
  • ¥153
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余談ですが…この三つを並べられると、思わず某アラミス様を思い出しますね😌

酒・歌・女、我らに有り!

酒・歌・女、我らに有り!

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宗教改革で有名なルターも、「ワインと女と歌、どれを欠いても愚かな人生」という言葉を残していますが、この三つは西洋ではセットということなのでしょうか。

 

 

『THE MERRY WIDOW』

 

 今まで紹介した曲はすべてヨハン・シュトラウス2世の作品ですが、この作品は彼の少し後に活躍した作曲家、フランツ・レハールオペレッタを原作としています。

メリー・ウィドウ・ワルツ》、とっても素敵です☺️

MERRY WIDOW WALTZ

MERRY WIDOW WALTZ

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メリー・ウィドウ・ワルツ

メリー・ウィドウ・ワルツ

  • ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団 & フランツ・バウアー=トイス
  • クラシック
  • ¥255
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『グレート・センチュリー』-メモリーズ&メロディーズ-

1999年、稔幸さん主演の作品です。

舞踏会のシーンで、メリー・ウィドウと同じレハールの作品である、《金と銀》が使われています🌟

ワルツ「金と銀」

ワルツ「金と銀」

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ちなみに、この公演の解説には「20世紀を鮮やかに染め上げた名曲が~」とありました。

なんとなくワルツ=19世紀のイメージがあったので一瞬?と思いましたが、この曲は1902年に発表されたものなので、ギリ20世紀なんです!

そしてそう考えると、20世紀ってすごく幅広いですよね。

 

 

以上、ウィンナ・ワルツが登場する宝塚作品をざっと紹介しました。

(おそらく、探せばまだまだ見つかると思われますが…)

 

 

華やかできらびやかで甘美なメロディ、心躍る三拍子のリズム…

折しも現在宝塚大劇場ではウィーンを舞台にした『I AM FROM AUSTRIA』も上演されていることですし、(~11月11日、東京宝塚劇場では11月29日~12月28日)

この秋冬はウィンナ・ワルツを聴いて、ウィーンやオーストリアに思いを馳せてみるのはいかがでしょうか?

 

 

以下余談

毎年恒例のウィンナー・ワルツ・オーケストラが来年のお正月にも開催されます🎻

www.koransha.com

 

今年のお正月に私も行きましたが、とっても幸せなひとときでした👏

(ウィーンにちなんで、エリザベート柄のお洋服を着ていきました!)f:id:Natsu3ichi:20191025220933j:plain

 

 

あと、今回紹介していない曲の中では、《皇帝円舞曲》と《ウィーンのボンボン》、《ウィーン気質》がおすすめです~

 

皇帝円舞曲 Op. 437

皇帝円舞曲 Op. 437

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ワルツ「ウィーン気質」 作品354

ワルツ「ウィーン気質」 作品354

  • ニューヨーク・スタジアム交響楽団 & ラウル・ポリアキン
  • クラシック
  • ¥255
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夢が叶った☆宝塚大舞踏会

「当たった!!!!!!!!!」

 

4月26日・15時。

ローチケさんから、「宝塚大舞踏会」当選のお知らせが届きました。

 

 

そして9月14日、舞踏会本番を迎えました。まさに夢のようなひとときでした。

 

 

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今回は、この「宝塚大舞踏会」に関して、当日までの流れから本番のあれこれについて、綴っていきたいと思います。

 

 

 

 

 

宝塚大舞踏会って?

イベント概要https://www.kanko-takarazuka.jp/event/takarazukadaibutoukai2019

本番の内容としては、宝塚ホテル・宝寿の間にて

・OGの男役さんと組んでダンスを踊る

・フレンチのコース

・OGさんのスペシャルショー観劇

といったところでしょうか。

そして事前に一日、OGさんによるダンスレッスンがありました。

 

 

6月15日 レッスン①

5月~8月の間に組まれていた、全5回のレッスン日程から第三希望まで選ぶことができました。(私はこの日になった)

社交ダンスもやったことないし、踊るのなんて高校の体育の授業以来4年ぶり?!という有様でしたが、OGの皆様がとても丁寧に教えてくださったので、ダンス初心者の私でも大丈夫でした。

本番用のヒールをはいて、実際に踊ってみたのがよかったかなと思います。

 

レッスンで隣になった方お二人と仲良くなり、ラインを交換して当日までの情報交換をし、本番も一緒に過ごしました。

当日のお席も同席希望ができ、一緒のグループにして頂けました。

 

自主練ができるよう映像や音源も頂けたので、本番まで練習を重ねることができました。

 

 素化粧・レッスン着の時点でもうすでにかっこよすぎるのに、本番の男役さんたちのかっこよさに私たちは耐えられるのか!?無事一緒に踊ることができるのか!?と不安が残る。

 

 

お衣装・アクセサリー集め

「やはりロングドレスが着たい!!」と思い、Amazonでドレスをポチリました。4,300円なり。安かった。

普段からドレスを着て踊ることに慣れている方は別ですが、私はそうではないので、足首が出るくらいの丈にしました。本番では裾をひっかけてすっ転ぶこともなく、この丈にして正解だったなと思います。

ガチの社交ダンス用のドレスを着ている方もいらっしゃって、華やかでとても素敵でした✨

あとはどうしてもつけたかったティアラ、それからネックレスやサテンのロンググローブを、メルカリでウェディング関連の出品をしていらっしゃる方からお譲り頂きました。(手袋があると、娘役さん度が増す気がする)

靴・鞄・イヤリングは、元々持っていたものを使いました。あとは造花を買って頭に生やしました。

どんなドレスを着ようか、どんな髪型にしようかと本番まで悩む時間が、とても幸せでした。(そもそも、こんなことを考えている時点で非日常ですよね。。。)

 

事前レッスンでは業者さんがいらしていて、お衣装やアクセサリーの展示も行っていたので、そちらを利用された方もいらっしゃったかもしれません。

 

 

9月8日 レッスン②

舞踏会の追加募集があった関係か、レッスンの日程が追加され、希望者は+5,000円で2回目のレッスンを受けることができました。

本番の1週間前にもう一度確認ができ、結構いい感じに踊れた!と思えたので、前向きな気持ちで本番に臨むことができました。

 

 

 9月14日 本番

お家でヘアメイク。アンカレの舞踏会のシーンとか、瑠璃色のデュエダンとかを見て気分を上げる。さらに余裕ぶっこいてエキサイター!!2018を見てたら、ギリギリになってしまった。慣れないことをする時は、余裕が必要…

 メイク・ヘアセットを済ませたうえで、14時に宝塚ホテルに集合。

私はヘアメイクを自分でしましたが、北新地あたりの美容院でのヘアセットがおすすめだと伺いました。


ドレスに着替えた後は、ホテル内で写真撮影大会!

ご一緒した方には着替えを手伝って頂いたり、写真を撮って頂いたりしました。


ぼっちだとできないことができましたし、本番中や帰り道などヅカトークで沢山盛り上がれたので、やはり誰かと参加するか、レッスンでお友達を作るかした方がいいかなと思いました…!

 (もちろん、お一人で参加された方も大勢いらっしゃいました。そして、参加者はほぼ全員がヅカファンなので、初対面でも話題に事欠くことはなかったです。すごかった。)

 

15時に受付開始。参加者は当日に花・月・雪・星・宙のグループに分けられるのですが、私は月組で、月ファンとしてとても嬉しかったです☽

クロークはありますが、貴重品は預けられません。スマホや化粧品などを入れるために、結婚式用の小さいフォーマルバッグを持って行って正解でした。

 

会場内では曲が流され自主練ができるようになっており、みなさん真剣に最後の確認をしておられました。

ほとんど本番に近い形で踊ることができたので、ここは自主練すべきだなと…!

 

 

16時から舞踏会がスタート。

黒燕尾姿で、髪型もメイクもばっちり決められた男役さん方が登場。

あまりのかっこよさに、頑張って覚えて練習したステップや振付が、組んだ瞬間にすべて吹っ飛びそうな予感。

ほかのグループが踊っているのを見て、緊張が高まる…

 

いよいよ私たちの出番。

 

一曲目 ♪舞踏への勧誘

お相手は汐美真帆さん。(77期・雪→月→星)

とにかくかっこよかったです…オールバックの髪型が美しすぎました。

 

二曲目 ♪いつか王子様が

お相手は鮎川なつきさん。(79期・花)

「沢山練習されたんですね」などのお言葉のおかげで、落ち着いて踊ることができました。

 

三曲目 ♪セントルイス・ブルース・マーチ

お相手は初輝奏さん。(81期・星)

スラリとしたスタイルが素敵でした!レッスンでもお世話になったので、また踊ることができて嬉しかったです。

 

四曲目 ♪美しく青きドナウ

お相手は綺華れいさん。(84期・星)

バリバリの男役さんスタイルで、見つめられてもう本当にドキドキでした…!

 

 

やり切った達成感と共に、踊り終わった後はしばらく胸の高鳴りが止まりませんでした。

 

 

その後はフレンチのコース。やはりフォークとナイフで頂くお料理というのは、特別なものがありますね。

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そして、出演者によるスペシャル・ショーを観劇。演出はなんと三木章雄先生!

宝塚の名曲をたっぷり味わうことができました。途中、ボレロアレンジでの黒燕尾群舞があり、息をのむほどのかっこよさでした。

 

最後に、グループごとに出演者との集合写真を撮り、着替えて解散という流れでした。

 

 

 

舞踏会やワルツに憧れを抱いていたので、今回参加して夢が叶い、この上なく幸せです。

夢を叶えた 特別な夜。ラプンツェル風に)

四曲目は美しく青きドナウでしたが、大好きなヨハン・シュトラウス二世のウィンナ・ワルツで踊れたのも、感慨深かったなぁ。

 

また今回は娘役もどきになったわけですが、エスコート係の娘役OGさんの姿を見て、やっぱり本物は可憐さとか身のこなしの優雅さとか、全然違うわ…と改めて思いました。娘役さんはすごい。

とにかく、憧れの娘役さん体験ができて、とても嬉しかったです

 

 

あと、取り壊される前にタカホでのイベントに参加できたのも、とてもよかったです。

 

最高の思い出になりました。

関係者のみなさま、当日まで本当にありがとうございました。

 

DVDや写真データが届くのが、とても楽しみです!!!

 

 

 追記:


舞踏会で着たドレス、クリーニングに出したら4,500円もしました…

4,300円で買ったのに😂😂😂笑

 

 

 

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『カルーセル輪舞曲』の終着点

こんばんは(*^^*)

今回は前回と“場所”つながりで。

作品は、『カルーセル輪舞曲』を取り上げます!

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月組によって2017年に上演されたこの作品は、『モン・パリ』誕生90周年を記念して作られたレヴューでした。

この作品の構造について、公演解説には以下の一文があります。

 日本を出発しパリに着くまでを描いた『モン・パリ』に対し、パリから出発して宝塚を目指す世界巡りの形式で、バラエティ豊かな数々の場面をお届け致します*1

 一見、『モン・パリ』の出発点と終着点を入れ替えただけのように見えますが、実際の終着点は日本ではなく具体的に「宝塚」となっています。

そこで今回は、『カルーセル輪舞曲』の終着点を「宝塚」とした目的について、詳しく考えてみたいと思います!!

 

 

 

 

日本初のレヴュー『モン・パリ』

 

まず、『モン・パリ』が上演されるまでの経緯と、『モン・パリ』の内容について見ておきましょう。

日本初のレヴュー『モン・パリ』が上演されたのは1927年のことでしたが、これには1924年に新しくオープンした宝塚大劇場が深くかかわっています。

この劇場は4000人を収容できるという巨大なものでした。現在の宝塚大劇場の収容人数は2550人であり、その大きさがよく分かりますね。

従来の出し物ではこの大きな劇場を埋めることはできず、新しい演目を探し欧米視察に渡った岸田辰彌が、日本にレヴューを持ち帰りました。こうして上演されたのが、『モン・パリ』というわけです。

 

前述の通り『モン・パリ』は日本を出発し、(中国・エジプトなどを経て)パリに着くまでを描いたレヴューですが、作品の登場人物である、主人公の串田という人物の名前からも分かるように、岸田先生自身の渡航も重ね合わされています。(クシダさんは『レビュー伝説』にも登場しましたね。)

ちなみに、出発点は日本とされていますが、具体的には神戸港を出発するシーンだったようです。

 

 

『カルーセル輪舞曲』における宝塚

 

次に、『カルーセル輪舞曲』の構造について確認します。

劇中ではパリを出発し、アメリカ・メキシコ・ブラジル・シルクロード・インド洋と旅をします。

続くS10「夢のつづき」で、水先案内人の華形の「Welcome to 宝塚!」というセリフがあります。そしてS11「わが巴里よ(日本 タカラヅカ)」、S12「終幕(カルーセル輪舞曲)」と続きます。

水先案内人のセリフより、S10から宝塚についたとみなし、以下宝塚のシーンを詳しく見てみましょう。

 

 

宝塚のシーンにおける、タカラヅカ・レヴューの要素

 

まずS10ですが、ここはラインダンスのシーンです。

続くS11は、緞帳が開いて大階段が登場し、モン・パリの曲に合わせて男役群舞がなされます。その後、トップコンビのデュエットダンスです。

S12は、エトワールがモン・パリの一節を歌って始まるパレードです。

 

各所に『モン・パリ』の曲が使われていることも気になりますが、ここで注目したいのは、宝塚のシーンで行われるラインダンス・群舞・デュエットダンス・パレードというのは、タカラヅカ・レヴューにおける定番の要素であり、タカラヅカ・レヴューを特徴づけるものでもあるということです。

4年以上ヅカファンを続け、たくさんの作品を観劇してきましたが、特に近年はどの作品もこの要素すべてを取り入れており、一つでも欠けていると、気になってしまうように感じます。

また、ラインダンスや大階段、パレードは、『モン・パリ』が初出とのことです。現在私たちが見慣れているものも、『モン・パリ』にルーツがある90年以上の歴史を持つ伝統あるものなんですよね。ただただすごいです!!

(『モン・パリ』での有名な「汽車のラインダンス」は、暁さん中心の場面で再現されていますね。)

 

まとめ

 

宝塚のシーンは、『モン・パリ』の曲を取り入れつつ、『モン・パリ』から受け継がれてきたものも含め、タカラヅカ・レヴューの伝統や特色を示すものであったと言えます。

例えば、ただ終着点を「日本」とし、三味線での群舞とか和テイストを取り入れたシ-ンにして、「日本」のシーンということをアピールする、とかでも十分よかったと思います。

でも安易にそうはせず、終着点を「日本 タカラヅカ」としたのは、

・『モン・パリ』から続くタカラヅカ・レヴューの伝統や特色を示すため、

・そしてそういったものが受け継がれ、上演されてきた「宝塚」という場所の魅力を示すため

だったのではないでしょうか。

 

 

『カルーセル輪舞曲』は稲葉先生の作品です。

現在宝塚大劇場では同じく先生のレヴュー『シャルム!』が上演されていますね。

どんな世界が広がっているか、観劇がとても楽しみです🌸

 

読んでくださって、ありがとうございました🎠

 

(『モン・パリ』とそれにかかわる記念公演については、歌劇団の以下のページが詳しいです)

www.kageki.hankyu.co.jp

 

 

 

 

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