深掘り*タカラヅカ

男役イメージの研究で修士号を取得した筆者が、宝塚をあれこれマニアックに深掘りします。

『Exciter!!』ファッションショーのお衣装を詳しく解説!!

こんばんは!

第2回目は藤井大介先生作・演出の、『Exciter!!』を取り上げます。

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またまたこの作品も大好きで、2018年の全ツで再演されると聞いたときはとても嬉しく、広島と愛知に遠征してしまいました。(贔屓組でもないのに何やってんだ)(そして前回と同じような流れ)

異例の大劇場での再演がなされるという、とても人気な作品という印象でしたが、実際に観劇してみて、その人気の理由がわかったような気がしました。うまく言い表せませんが、ショーの各要素が全感覚にビシバシ来る感じで、タイトル通り興奮しっぱなしの55分でした。

 

その中でも今回は第2章「Beautiful Exciter!!-美の革命-」、通称・ファッションショーのシーンを深掘りしていきます!

ここでは5組のカップルが登場しますが、娘役はそれぞれ全く違う時代のお衣装を着ており、ファッション史の一部を見ることができます。

それぞれいつの時代なのか?どんな特徴があるのか?について詳しく見ていきましょう(*'ω'*)

また、実物の例があったほうが分かりやすいと思うので、18世紀からの西洋の服飾を収集・保存・研究などをしていらっしゃる京都服飾文化研究財団(KCI)の美麗な収蔵作品も併せて紹介します。

www.kci.or.jp

KCIのデジタル・アーカイブス。素敵な作品ばかりで、何時間見てても飽きません。

 

 

ロココスタイル:18世紀

まずは一組目のモデルさん(2018年版の娘役は華雅、以下同)について。

「♪18世紀は豪華なドレス」と歌っているように、18世紀のロココスタイルです。

エストはコルセットで締め上げ、パニエを着けてスカートを巨大に膨らませました。

|1760s-1770sのコレクション|KCI デジタル・アーカイブス

 

マイ・フェア・レディ』:1912年

二組目のモデルさん(真鳳)。ドレスの色や形、「♪まるで映画のワンシーンのよう」という歌詞から、このお衣装は映画『マイ・フェア・レディ』の、有名な競馬場のシーンのドレスを模したものだと思われます。

そして調べたところ、この作品は1912年が舞台になっているみたいです。

歌われているように、タイトなスカートがポイントでしょうか。

|1900sのコレクション|KCI デジタル・アーカイブス

 

ゴールデンジャズエイジ:1920s

第一次世界大戦が終わり、好景気にみまわれたアメリカの1920年代の文化や世相は、ジャズ・エイジと呼ばれています。ジャズ・エイジ - Wikipedia

(宝塚でも『華麗なるギャツビー』や『The Last Party』など、よく取り上げられていますね。)

「♪ゴールデンジャズエイジ」とあるように、三組目のモデルさん(春妃)は1920年代のスタイルです。

スカート丈が思い切り短くなり、今まで布に隠されていた女性の脚が見えるようになりました。

|1920sのコレクション|KCI デジタル・アーカイブス

 

ロックンロール:1950s

まぁみりの「若さスパークリング」といった方が分かりやすいかも(笑)

四組目のモデルさん(二葉)。「♪流行るロックンロール」とありますが、1960年代半ば以降からは「ロック」の呼び方が定着したそうなの(ロックンロール - Wikipedia参照)と、スカートの形から1950年代だと推定。

1950年代は広がったスカートが流行しました。お衣装のスカートも、パニエでたっぷりと膨らませてありますね。

|1950sのコレクション|KCI デジタル・アーカイブス

 

ベルボトム:1970s

最後のモデルさん(乙羽)。裾部分が大きく広がったパンツ、ベルボトムのお衣装です。ベルボトムが流行したのは1970年代のことでした。1970年代 流行ファッション | 年代流行

|1970sのコレクション|KCI デジタル・アーカイブス

 

 

以上、5人のモデルさんのお衣装について詳しく見てみました。

具体的な年代やファッションの特徴が分かると、このシーンがより楽しめるかなと思います(*^^*)

また、このシーンでは全く触れられていませんが、19世紀のファッションも素敵なので、興味のある方はぜひぜひ調べてみてください!!

 

今回紹介したKCIですが、現在京都国立近代美術館において、「ドレス・コード?――着る人たちのゲーム」展を主催しておられます。(2019年8月9日(金)~10月14日(月・祝)、その後熊本市現代美術館に巡回)

そして、2020年4月11日(土)~6月21日(日)、東京オペラシティ アートギャラリーにおいても、開催が決定されました!!

www.kci.or.jp

ここまで大きな規模のファッションの展覧会というのはなかなかないですし、素敵な作品ばかりなので、お衣装好きなヅカファンの方は絶対に楽しめると思います!

あとは、「これは華ちゃんに…これはれいちゃんに…これはあーちゃんに…」とか、作品を着こなしてほしいジェンヌさんを想像しながら見るのも楽しいかもです(*ノωノ)

18世紀のところで紹介した、ロココスタイルのドレスも生で見れますよ~♡

 

私は宝塚のお衣装がとにかく大好きなので、またお衣装についても深掘り出来たらなと思ってます。

 

読んでくださってありがとうございました(*'▽')

 

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