ちゃぴルイーズ、「ブロンド」の謎。
月組『All for One』に迫る第二弾です🌙
(第一弾はこちら⇓)
今回は愛希さん演じるヒロイン・ルイーズについて!!
男役/娘役の演じ分けや優雅なバレエなど、彼女に関して見どころは沢山あると思うのですが、個人的に大好きなのが「♪もし私が女の子なら」が歌われるシーンです!
ワクワクしながらドレスアップをしている愛希さんのお姿がもう、ほんっとうにかわいいんですよね~💕
ところで、曲の中でルイーズは
「ブロンドかブルネット、ストロベリー」
と歌っており、実際にこの3種類のウィッグ(かつら)を出しています。
(これも大昔に描いた。)
でも、実際に選ぶのはいつもブロンドのウィッグ。
観劇するたび、
「ここ、日替わりでウィッグの色が変わったら面白いのにな~」
「ブルネットやストロベリーのちゃぴちゃんも見たいな~」
と思っていました。
そこで、ルイーズがブロンドのウィッグを選ぶのはなぜ?
という謎に自分なりに迫ってみたので、今回はそのことについて書きます!!
1.『All for One』と『リボンの騎士』
結論を先に言いますと、この謎には漫画『リボンの騎士』が深く関わっていると考えられます。
そもそも『All for One』は、『リボンの騎士』抜きには語れない作品であるというのは明らかでしょう。
小池先生は公演プログラムの中で、以下のように語っておられます。
三銃士といえば「鉄仮面」ルイ14世の双生児入れ替え話が有名である。この双子が男女だったとして、ヒロインは王を演じさせられている王女だったら子供のころ読んだ「リボンの騎士」みたいで面白いのではないかと思った。手塚治虫の宝塚へのオマージュ作品に対する、私からのオマージュである*1。
『リボンの騎士』は手塚治虫先生の作品ですが、そこには宝塚歌劇団の影響がたくさん見られるというのは、よく知られていることと思います。
小池先生はそのオマージュ返しといいますか、そういった形でこの作品を作られたようで。
つまり『All for One』は、『リボンの騎士』へのオマージュ作品でもあるというわけですね。
※オマージュ:芸術家などへの尊敬、敬意。あるいはそうした思いを捧げた作品。
2.『リボンの騎士』について
次に、『リボンの騎士』はどのような物語であるかについて確認しましょう。
まず大大大前提として、主人公のサファイヤは男として育てられた王女であるということが挙げられます。
サファイヤはある国の王女として生まれるが、国の掟では、王女は王位につけない。(中略)国王と側近はサファイヤを王子として育てることにする*2。
また、物語の中では様々なエピソードが展開しますが、注目したいのはサファイヤの恋模様です。
そんなある日、サファイヤはあまいろの髪の乙女に変装して復活祭の舞踏会に出かけ、そこで隣国の王子・チャーミングに出会い恋をする*3。
まとめますと、『リボンの騎士』の
・男として育てられた王女が
・女の子の姿に変装して恋をする
という点が、今回の謎を解くカギになってきます。
3.ルイーズとサファイヤ
「男として育てられた王女が」「女の子の姿に変装して恋をする」…
あれ、この展開どこかで見たような??
と、ヅカファンのみなさまはもうお気づきでしょう。
1で『All for One』は『リボンの騎士』のオマージュ作品でもあるということを確認しましたが、『リボンの騎士』のこれらの点は、そのまま『All for One』に用いられているのです。
まずヒロインのルイーズは、ルイ14世つまり男として育てられた王女でしたよね。
また『All for One』は、ルイーズが「もし私が女の子なら~♪」と歌って女の子の姿に変装し、居酒屋で再会したダルタニアンに恋をするという展開となっています。
そして上では触れていませんが、
「私だって晴れ着を着たらみんなくらいきれいになるのに……」
「私もあんなドレスを着てみんなと踊りに町へ行きたいわ」
と苦悩するサファイヤの姿には、
「ああ、髪を伸ばしてみたい…」
「お洒落をしたい だって私本当は 女の子に生まれているの」
と口にしたルイーズの姿が重なるような気がします。
⇓ そのセリフがあるコマが見られます。
そして舞踏会での出会いの場において、サファイヤは正体を明かさぬまま王子の元を去ってしまうという展開なのですが、これも「氏素性を明かさぬまま、ダルタニアンの元を去ってしまうルイーズ」という形で投影されていますよね。
(そしてあの伝説の壁ドンシーンが生まれた・・・💞)
4.亜麻色の髪の乙女
以上より『All for One』には、『リボンの騎士』の設定や展開が、オマージュとして取り入れられていることが分かりました。
よって登場人物であるサファイヤはルイーズと、そしてそのお相手であるフランツ・チャーミング王子はダルタニアンとも置き換えられるでしょう。
さて、サファイヤは女の子の姿に変装する際に、ロングヘアのかつらをかぶっていました。
そしてフランツ王子はその姿のサファイヤに恋をするのですが、髪の色から彼女を「亜麻色の髪の乙女」と呼び、その面影を忘れられないでいました。
ここでフランツ=ダルタニアンだとするならば、
『All for One』においてダルタニアンが恋に落ちるのも、「亜麻色の髪の乙女」でないといけないわけです。
亜麻色はこんな色なのですが、たしかにルイーズのブロンドのウィッグもこんな感じの色ですよね!!
厳密には亜麻色の髪≠ブロンド(金髪)なのですが、実際には一緒くたにされることが多いようです。
また、カラーの「亜麻色の髪の乙女」の髪色は黄色で塗られており、ブロンドと言っても差し支えないのではないかなと思います。
⇓ 亜麻色の髪の乙女姿で、フランツと見つめ合うサファイヤのカラーカットが載っています。
5.おわりに
以上より、『All for One』が『リボンの騎士』のオマージュ作品であることを前提とした上で、ルイーズの選ぶウィッグがブロンドなのは
『リボンの騎士』に登場する「亜麻色の髪の乙女」の影響があるから
ではないかなと考えました。
オマージュ元である『リボンの騎士』を読めば、『All for One』をより楽しめること間違いなしだと思います🎀 🌞
また大劇場の近くにある手塚治虫記念館には、『リボンの騎士』はもちろんのこと、先生の作品が全て読める夢のようなライブラリーが併設されています。
観劇に合わせて、ぜひぜひ訪れたいスポットですね!!
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